日本の郊外に行くと、生活必需品を売ったり、飲食店もある大型スーパーがよく見られます。この馴染みのある日本の光景は、今、高雄の岡山でもみることできます。高雄と台南の間に位置し、彌陀や阿蓮などの近隣町村を含める岡山区は、かつては重要な中継駅であり、今はMRT南岡山駅を降りると、くら寿司、UNIQLO、DAISOなど、日本のチェーン店が並びます。台湾人にとって、その風情は再び高雄の新名所となり、「果たしてここは日本の岡山なのか?それとも台湾の岡山なのか?」という錯覚を生み出しています。今回は、岡山出身であるの旅男datoを案内役に迎え、そしてdatoのお母さんも初登場し、生活と旅の視点から岡山の過去と現在を探ります。
日常の中でも日本のライフスタイルを送る日本旅愛好家のdatoは世界各地を旅して故郷に戻ると、様々な日本からのお店が立ち並んでいるのに驚きました。地元に帰った彼は、岡山に遊びに来る旅行者たちに「郷に入っては郷に従え」ことを提案し、朝からMRTに乗ったり、バイクを借りてツーリングしたり、路面店を回ったり、中目黒のような街歩いたりします。岡山の「ちょっと日本っぽい」の日帰り旅行、行こう!
文—陳瀅羽 撮影—PJ 企画編集:張容甄(HereNow編集部)
「中街」から出発して、dato式の岡山生活圏
暮らし、旅、音楽のコラムニストであるdatoは、地元の岡山小学校、岡山中学校、岡山高校に通い、彼にとって岡山はなじみ深く安心できるところです。かつて彼の家族が経営していた時計店も岡山中街(平和路)にありました。この通りの端は昔の岡山駅があり、この地域では商売が栄え、その時すべてのおしゃれなものやデパートが集まっていて、全盛期にはこの通りには3つのレコード店がありました。datoの母によると、datoが中学生や高校生の頃には、小遣いを全て貯金して、カセットテープやCDを買いました。おそらく、datoは今日まで続いている音楽への情熱がこの3つのレコード店から始まったのだろう。
お母さんは、dato1才の時に叔母が日本から持ち帰った「桃太郎」のカセットテープと子供用の浴衣セットが大好きで繰り返し聴いていたことを明かしました。日本の岡山県で発祥する「桃太郎」は、datoの人生における「音楽」と「日本」の素晴らしいプレリュードのようです。
datoは小さい頃から自立した性格で、母親を心配させたことはありませんでした。そして、datoの高校時代に彼が作詞した歌詞を初めて見て、いつの間に部屋の扉の向こうで、彼がすでにこのような作品を書けるようになっていたことに気づいました。「書くこと」はdatoの人生の重要な部分を占めており、後に歌詞を書くことはなくなったが、代わりに自分のブログで本や映画、音楽のレビューを書き始め、その結果、いくつかのウェブサイト、雑誌からコラムの執筆を依頼されました。一方で、datoは黃奕凱、Azonaと「男子休日委員会」を結成し、『左京都男子休日』や『北海道央男子休日』といった2冊の本を出版しました。datoはこれらの活動に喜んで取り組み、自己出版の道を歩み始めました。
「今振り返ってみると中街は小さく見えますが、当時は私のニーズを十分に満たしていました」とdatoは笑顔で語ります。1995年に駅が移転し、岡山も静かになったが、2021年にユニクロの路面店がオープンし、それに続いて映画館と商店街ができ、無印良品などのブランドが次々と出店し、岡山が一気に活気づいた、「蔦屋書店があればもっと完璧です。これらの店は台北にもありますが、体の中に岡山の魂が宿っているので、このような変化を見ると、とても嬉しいです。」Datoは笑顔で語ります。
日本の生鮮食品を販売しているデザインカフェ「梨バー制所」
毎回岡山に帰省すると、datoはいつも新しい店を発見するのだが、その情報源のひとつが近所の人たちとのおしゃべりが大好きな母だ。今回はdatoのお母さんに案内していただくが、なんとdatoの祖母の家の近くに向かいました。かつて慣れ親しんだ一角が、今では新しくて個性的なカフェである「梨吧制所」になっていました。 この店は中街の枝分かれである大埕街に位置し、オープン当初から若者たちに人気を集めました。白くて、幾何学的な形の建物は、強い日差しの下で特に目立ち、大きなガラス窓から店内をのぞくと、日本の海産物、和牛、ウニ、一夜干しなどのほか、調味料、酒類、飲料などが並んでおり、まるでミニチュア版の日本のスーパーマーケットのようです。向こう側にはカフェがあり、メタリックな丸テーブルと大理石のチェア、ユニークな空間が、日本和色のデザートとすっきりとしたプレーティングと相まって目を引きます。2階に移動すると、厳選された器や道具が並んでおり、さらにこの空間に個性を添えています。
聞いた時にdatoは半信半疑でしたが、伝統的な屋台以外にも雰囲気の異なる小さな店が進出し始め、新客が訪れるようになり、この町の面白さを発見し、より多くの楽しみを創出します。
オーブンで焼いた思い出、放課後の温かいおやつ「吉吉棒」
通学時間を節約したいという理由から、datoは小学校から高校まで岡山で暮らしました。彼の人生の前半を岡山で過ごしたといえます。中街の賑やかな商店街で、ベビーカステラのような屋台があり、datoは「岡山にしかないお菓子だ」一瞬にして目を輝かせて言いました。学校終わってからよく「吉吉棒(ジージーバン)」を買って食べていました。その時、名前もなかったし、値段もわずか10円くらいだったけれど、普通のベビーカステラとはひと味違って、もっちりとした食感とたまごの香りがふんわり香ります。オーナーさんの慣れた動作を見ながら、彼は自分が3代目であることを語りました。岡山の街並みがどのように変わろうとも、それでも同じ屋台で同じ味、素朴な見た目と馴染みのある甘さ。
歩きながら岡山の味を!中目黒のような「光井咖啡」
岡山に帰省するたびに、datoはバイクに乗って路地を走り、この街の変化を感じます。毎日アメリカーノ一杯飲んでる彼は、母校のそばにある「光井咖啡」を偶然発見しました。外観が中目黒のtake out coffeeに似ってるだけでなく、味もdatoの理想にぴったりだった。その後datoは「夏はアイスアメリカーノ、冬はホットアメリカーノ」と光井咖啡のファンになった。「岡山に戻れば、時間を作って光井咖啡に行きます。岡山で好きな店があるのは珍しいと思うので、応援しないと思います。」
店主さんは、昔は岡山に似たようなカフェがなくて、最初はとても挑戦的だったという。5年前、コンビニのコーヒー1杯がわずか30、40元だったでした。そして、騒ぐのが嫌いな店主さんは、お客さんと接する時間を大切にしていて、そのため、リピーターも光井咖啡の理念を理解しており、常連客の口コミにより、時間がかかったが、これらのお客達が光井咖啡のブランドコアを本当に理解してくれました。
「datoはよく岡山が日本に似ていると言うが、私はいつも『どこが?』と思うの」店主さんは笑って言いました。datoは「ここだよ!まるで中目黒みたいな感じだよ。」と笑った。岡山にこのような素晴らしい店がこれからも続き、新しいビジネスモデル徐々に確立し、若い人たちがここに残って、夢を叶えることができればいいなと思います。
日常に佇む中山公園の鳥居
中山公園は以前とはずいぶん様子が変わったとdatoは言います。近年、日本統治時代に建てられた岡山大神社の鳥居が元の位置に修復され、その時の姿を取り戻しました。公園も再整理された後、ひとときをゆったりとした気分で過ごすことができるようになりました。公園の奥には媽祖廟があり、岡山の優しい守り神です。神殿の前にいる石造りの獅子は、ひとつは「阿形(あぎょう)」といい、口を開いていて、もうひとつは「吽形(んぎょう‧うんぎょう)」といい、口を閉じていて、旧岡山大神社の前にいた「獅子と狛犬」であります。公園内を散策してみると、生態池、図書館、活動センターなどがあり、岡山には欠かせない緑地となっています。
こだわりの逸品が満載!岡山の特産品を集めた「無印良品」
Datoは「正直に言うと、昔は人々が岡山にラム肉を食べに来て、すぐ帰りましたが、今では雰囲気も良く、センスの良い店が多くなり、みんなが岡山に滞在する時間が長くなった。」と言います。岡山の無印良品の700坪の空間に、様々な地域のシンボルが取り込んでいて、岡山の特産を一つずつ展示します。例えば、岡山の特産品であるグアバを使ったレッドグアバアイスや、地元のベーカリーとコラボして、岡山の龍眼はちみつを使った「高雄蜂巢パン」などが販売されており、店頭に並べるとすぐに完売してしまう話題の商品です。
また、人気のある「樂土盆栽」は阿公店水庫の淤泥を再利用し、防水で透気性があり、無毒で環境にやさしい植木鉢を使っています。レジに向かうと、「岡山to go」という地図があり、自分の好きな店をメモに書いて貼り付けることができます。マップはどんどんカラフルになり、岡山の多様性を表せます。
観光客が駅周辺だけでなく、岡山の暮らしの中に入り込み、もっと岡山の文化の中心に近づいてほしいと願うdatoは、地元ガイドとして岡山を紹介するのは楽しみでもあり、緊張もすると言いながら、自分の慣れ親しんだ岡山が徐々に新しい姿に変わっていくのを見て、皆さんがより深く見ることができればいいなと思います。阿公店川沿いを散歩する時、目を細めると鴨川に見えると思いませんか? (笑)「次回は「裏岡山」を紹介できるかもしれないね」カキ氷屋からパパイヤジャムトーストのある朝食店、岡山人しかわかるラム肉屋などなど、高雄岡山の旅はまだ始まったばかりかもしれません。
〖おまけ〗
HereNow編集部のポケットリスト
Select 01/カレーライス – 耳東家日式食堂
すっきりとしたコンクリート壁が住宅街に溶け込む、店の入り口には「ようこそ!」と言わんばかりの木の椅子が客を待っています。まっすぐ伸びるカウンターに座り、店主がカレーを盛り付けて、そしてから揚げ、トンカツなどを並べるのを見ると、 思わず涎が出そう!バランスの取れたスパイシーなカレーは、衣が肉とよく絡み合っているとんかつと、サクッと揚がった唐揚げと相性抜群で、日本へ行きたい気持ちは満タンになります!
Select 02/日本料理 – 梨壽司(梨すし)
路地裏に潜む梨壽司は、名前からもわかるように、「梨吧制所」の経営者と同じ方です。同じく白いシンプルな外観の「梨寿司」は、モダンな雰囲気の梨吧制所と比べると、上品で親しみやすい雰囲気が漂っています。海鮮丼や握り寿司、そして必食の手羽先めんたいなど、海鮮好きにはたまらないメニューが揃っているほか、事前予約が必要な裏メニューもあるので、次回梨吧制所にデザートを食べに行く前に、こちらの予約もお忘れないでね。
Select 03/おまかせ- Temperature Studio溫度劑
日本料理を軸に、季節に応じてメニューを変え、前菜、メインディッシュ、スープ、デザート、一品一品の器選びにも気を配り、至れり尽くせりの食事を提供します。何よりも、他のおまかせ料理に比べて値段がとても手頃であることです!リーズナブルな価格で旬の味を味わい、日本式のおもてなしを心地よく感じることができます。