新型コロナウイルスの感染拡大によって、さまざまな日常が変化を余儀なくされているいま。雑誌や広告、写真集や個展などで活躍する気鋭の若手写真家4名に、「部屋の窓」をテーマにした写真作品と、短い文章を寄せていただきました。ふさぎがちになってしまう心の「窓」になりますように。
POSTED on 2020.05.02
桜は変わらず綺麗に咲いている。(石田真澄)

4月の最後の撮影の日にスタジオから見えた桜の木。今年はゆっくり桜を見られる日はなかったなと思った。私たちの生活は去年の春とまったく変わってしまったけど、桜は変わらず綺麗に咲いているなあと眺めてしまった。

石田真澄
1998年生まれ。2017年5月自身初の個展『GINGER ALE』を開催。2018年2月、初作品集『light years -光年-』をTISSUE PAPERSより刊行。雑誌や広告などでも活躍の幅を広げる。
http://masumi-ishida.com/
https://twitter.com/masumi_ishida_
https://www.instagram.com/8msmsm8/

いまは見えないところまで、想像力を働かせながら。(石間秀耶)

目覚ましをかけずに眠る夜、決まった時間に覚めない朝。孤立したような不安と、味のしない日々。このぽっかりと空いた穴をなにで埋めよう。

花を一日一輪買って、華やかになっていく部屋に心身ともに癒されたり、友人のInstagramストーリーを見て笑顔になったり、声を聞いて気持ちが暖かくなったり、そういった小さな幸せに幸せだなぁって思えて良かった。

いまは見えないところまで想像力を働かせながら、どこまでも人のことを思いたい。まだ見えない光を思い描きながらまたいつか誰かに愛を渡せるように、心に愛をためるように。大丈夫、ひとりじゃない。

石間秀耶
1997年生まれ、静岡県出身。2018年より写真家として活動開始。2019年9月、エキシビション『Ether』を表参道ROCKETにて開催。
https://www.ishimahideya.com/
https://www.instagram.com/_i_hideya/

窓の外にはいつもと違った世界があった。(葵)

自粛の日々の気晴らしであるお散歩が、この日は雨がひどくてできなかった。日が暮れる頃に雨音が止んだのに気づき、窓の外を眺めるといつもと違った世界があった。思わず近くにあったチェキを取り出し、シャッターを切る。‬

それから一日一枚チェキを消費するようになった。マスクをせずに人に会える日が来たら、この日々の記憶を大切な人に見せに行こうと思う。‬‬


2001年生まれ。高校一年の冬にフィルムカメラで学校生活を撮りはじめ、TwitterをはじめとするSNSで発信。プールで撮影した青の写真がTwitterで話題になり、米原康正氏のグループ展に参加。2020年3月には個展『未完成な青』を開催。
https://twitter.com/ao__photo

これから変わる時代に、光が差し込むことを。(中山京汰郎)

家で過ごす時間が増え、考える時間に余裕ができたいま、これまでは見えなかったものが見えてきた気がします。ブラインド越しに差し込む午後の光たちは、ついつい怠惰になってしまうこの自粛期間に活力を与え、同時にこんなにも綺麗な光があるのかと気づかせてくれます。本当に経験したことのないことがたくさん起きていますが、これから変わる時代に光が差し込むことを願ってます。

中山京汰郎
1996年生まれ。写真を独学で学びはじめる。日常の中で美しいと感じた独自の視点を写真に収めている。2019年9月に個展『23』を開催。

https://www.instagram.com/kyota21/
https://twitter.com/kyon_Sukatan

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