シューゲイズ、ノイズ・ポップ・バンドとして台北の若者に人気のインディーズバンドで、Manic Sheepは2010年結成以来、二度に渡りフジロックのステージに立ち、アメリカのSXSWや香港の音楽フェスClockenflapにも出演した人気のバンドです。そんな彼らが今回、台北の若者に人気のエリア永康街を含め、いつもバンド練習を行っている東門や古亭周辺を案内してくれました。まずはライブハウス『台北月見ル君想フ』からスタート。Manic Sheepとともに、台湾ミュージシャンの一日を体験してみましょう!
    テキスト:楊 孟珣、撮影:鄭 弘敬、翻訳:邱子菁

    POSTED on 2020.05.24

    UPDATED on 2020.05.27

    台北月見ル君想フ
    左より、Joy(ベース)、Chris(ボーカル兼ギター)、楊浩(ギター)、小白(ドラム)
    左より、Joy(ベース)、Chris(ボーカル兼ギター)、楊浩(ギター)、小白(ドラム)

    文化的な空気が流れる古亭駅は、国立の師範大学があることから、至る所で活気のある学生の姿を見かけます。このエリアにあるライブハウスが『月見ル君思フ』です。

    ドアを開けるとすぐに、壁に飾られた数多くのライブ写真やポスターに目が留まります。無造作に置かれた雑誌とCD、手書きのメニューが書かれた黒板から感じられるリラックスした雰囲気。ライブだけではなく、ランチ営業もしており、メニューには異国テイストの創作料理がたくさん並びます。特に人気の南インド風カレーセットは、週替わりでカレーの味を変えていて、常連客を飽きさせません。

    Manic Sheep

    店主の寺尾さんは東京にあるライブハウス『月見ル君思フ』が10年目を迎えたタイミングで、台湾と日本の音楽交流を目的に、海外ではじめての支店を台北にオープンしました。寺尾さんは、同時にインディーズレーベル「BIG ROMANTIC RECORDS」のオーナーでもあり、これから多くの台湾の音楽を日本に紹介したいと言います。

    Joy(ベース):音楽業界の友達の紹介でこのお店を知りました。私はここのカレーライスがすごく好き。

    Chris(ボーカル兼ギター):私も最初はカレーライスを食べに友達と来ました。2015年にちょうどManic Sheepが今の体制になったばかりの頃に、初めてここでライブをやったんです。ここは空間と音響がとてもいいんですよ。

    Manic Sheep

    — Manic Sheepは2017年の1月にニューアルバム『Brooklyn』を発売したばかり。この新作についても話しを伺いました。

    Chris:実は、このアルバム『Brooklyn』のメンバーは、前作から私以外全員変わったんです。曲を書くのは私がメインなんですが、メンバーが変われば当然全く違う曲が出来上がります。『Brooklyn』はまさに現メンバーの性格がよく表れていて、繊細で柔らかい感じに仕上がっていると思います。

    小白(ドラム):一度目は暖かく聴こえるけれども、何度も聴いているとちょっと違ってくる。表現したいのは暖かさとは真逆のものだったりします。

    楊浩(ギター):今作ではリズムを強調しましたね。例えば“No More Anger”という曲では、重複するリズムを残しつつ、細部を調整させたり。

    寺尾:Manic Sheepは日本のバンドに比べて、音楽への見方や編曲、演奏方法がより自由なんです。例えば、ベーシストのJoyはManic Sheepに入るまでベースを弾いたことがなかったのに、初めてのライブがフジロックだったりする。そんなこと日本のバンドだったらリスクが高すぎてやらないですよ(笑)。

    後方、『台北月見ル君想フ』オーナー・寺尾ブッダ
    後方、『台北月見ル君想フ』オーナー・寺尾ブッダ

    Joy:フジロックに出る前、私は本番までずっと緊張してて、演奏をミスする夢まで見たんです。緊張しすぎて、リハーサル後は舞台裏で大泣きしてましたし。広いステージ、大音量の音楽にたくさんの観客、もう家に帰りたいと思いました(笑)。

    楊浩:みんなの緊張感が溜まる一方でしたけど、本番でステージに上がった時、すべてのストレスから解放されました。フジロックのライブは本当に気持ちよかったです。

    永康刀削麵

    Manic Sheep

    『月見ル君思フ』から徒歩圏内の永康街は、Manic Sheepのメンバーがよく立ち寄るエリア。賑やかな永康街の角を曲がると、食べ応えのある刀削麺が名物の『永康刀削麺』があります。開放感のあるキッチンでは料理人と店員が忙しく動き回っており、混雑時の注文にも対応できるようにと、ロボットアームが素早く麺を切る風景も見受けられます。ここのオススメはピータン豆腐。爽やかな風味が、濃厚な牛肉スープによく合います。

    Manic Sheep

    Joy:普段からよく来ますし、海外の友達が台湾に来たらここに必ず案内します。ここの牛肉麺はトマトスープが特徴的で、刀削麺はボリュームも満点なので、是非食べてみて欲しいです。

    小白:僕は他のお店ではトマトスープの牛肉麺を注文しませんが、ここでは牛肉麺を必ず食べるかな。このエリアでなにを食べればいいか悩んだらまずここに来ますね。

    Manic Sheep

    Manic Sheepのメンバー共通のお気に入り『永康刀削麺』のほかにも、それぞれの永康街エリアのオススメを聞いてみると、こんな答えが帰ってきました。

    Joy:このエリアで一番好きなお店は『東海萊姆園』。レモンジュースを是非飲んでみて欲しい。そしてカフェ『Nom Nom』もオススメ。食べ物も美味しいし、雰囲気も最高!

    Chris:私は永康公園の近くにある『一品山西刀削麵之家』によく行くかな。

    楊浩:僕は、この近くの『LaDouceur品悅糖』というフランスデザートのお店がオススメ。焼きプリンがおいしいです。

    Manic Sheep


    永康刀削麵

    住所:台北市大安区永康街10巷5号

    営業時間:11:00~14:00、17:00~20:30

    定休日: 不定休

    電話番号:02-2322-2640

    アクセス:東門駅5番出口徒歩3分


    Sugar Man Café

    Manic Sheep

    『永康刀削麺』でお腹を満たしたところで、メンバーがもっとも好きなカフェ『Sugar Man Café』にやって来ました。このカフェは特殊な営業時間(14時~4時)となんとも退廃的な雰囲気が特徴で、台北の若者や文化人を惹きつけています。メニューにはサンドイッチのほか、水餃子に焼きそばもあり、お腹が空いた人にもオススメ。コーヒー一杯で一日中いる人もいたり、パソコンで作業するノマドワーカーがいたりと、誰もがゆっくりと過ごせるスポットです。

    Chris:なぜか分かりませんが、音楽やデザイン、映画業界の友達は皆、ここで待ち合わせるのが好きみたい。毎回行くと必ず知り合いがいて、店員さんもみな顔見知り。僕らは毎回パソコンを持ってここで仕事をして、夜遅くお腹が空いたら水餃子を一皿食べます(笑) 。

    Manic Sheep

    Joy:確か最初はみんな『路上撿到一隻貓』で待ち合わせてたよね。だけどあそこはお客さんがどんどん増えて、席がないこともよくあって。結局そこの店員さんが独立して『Sugar Man Café』をはじめて、メニューもよく似たこっちに来るようになったんです。

    Chris:メニューを見なくても、同じものを注文すれば大丈夫だしね (笑) 。

    楊浩:メンバーみんなが好きな場所ですね。

    Manic Sheep


    Sugar Man Cafe

    住所:台北市大安區和平東路一段87-1號

    営業時間:14:00~翌日4:00

    定休日: 不定休

    電話番号:02-2396-9980

    アクセス:古亭駅5番出口

    URL:https://www.facebook.com/cafesugarman


    この記事で紹介したスポットはこちら。

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    Manic Sheep

    2010年結成、2012年にファーストアルバム『Manic Sheep』をリリースし、2013年のワールドツアー後、2014年に休団とメンバーチェンジを経て、2015年より現在の四人体制となる。2017年1月には、日本で二枚目のアルバム『Brooklyn』をリリース。3月より、<Manic Sheep『Brooklyn』release Japan tour>として、京都、大阪、名古屋と東京でツアーを開催する。

    <Manic Sheep『Brooklyn』release Japan tour>
    3/4 京都 nano
    3/5 大阪 SOCORE FACTORY
    3/6 名古屋 KDJAPON
    3/7 東京 青山月見ル君想フ(SOLD OUT)




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